モモ「あちゅい〜」
松山も暑くなりましたが、実は暑い中での運動も悪いことばかりではないようです。
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Does Short-Duration Heat Exposure at a Matched Cardiovascular Intensity Improve Intermittent-Running Performance in a Cool Environment?
Philp, Calvin P.; Buchheit, Martin; Kitic, Cecilia M.; Minson, Christopher T.; Fell, James W.
International Journal of Sports Physiology & Performance . Jul2017, Vol. 12 Issue 6, p812-818.
こちらの研究では、12人のラグビー選手を対象に5日間の自転車トレーニング(70%HRRで45分)を 35℃と15℃の気温で行い、効果に差があるのか比較しています。パフォーマンステストは18℃で実施。
その結果、35℃と15℃の両方で少しパフォーマンスが上昇。その差はほとんどなかったみたいなのですが、トレーニング中の発揮パワーは35℃の方が28%ほど低かったとのこと(35℃:1.8±0.2w/kg、15℃:2.5±0.3w/kg)。
これは、簡単には35℃の気温の中でトレーニングをする場合、15℃の環境よりも大きい力・速いスピードを出していないということです。
言い方を変えれば、同じトレーニング効果を出すのに暑い中だと(涼しい時に比べて)あまり力を出さなくていいし、素早い動きをしなくても良いということ。逆に言うと、同じ効果を出そうとすると涼しい中では(暑い時よりも)より大きい負荷が必要になる。
暑いから力が出せない可能性もありますが、例えばケガからのリハビリ中の選手や筋力や関節に不安のある人は、暑い中だったら大きな負担をかけずに体力を向上させられる可能性があります。
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Postexercise whole body heat stress additively enhances endurance training-induced mitochondrial adaptations in mouse skeletal muscle.
Tamura Y, Matsunaga Y, Masuda H, Takahashi Y, Takahashi Y, Terada S, Hoshino D, Hatta H.
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2014 Oct 1;307(7)
Daily heat stress treatment rescues denervation-activated mitochondrial clearance and atrophy in skeletal muscle.
Tamura Y, Kitaoka Y, Matsunaga Y, Hoshino D, Hatta H.
J Physiol. 2015 Jun 15;593(12):2707-20
また、こちら2つの論文では、ザックリまとめると以下ようなことが報告されています。
・マウス(ネズミ)を25m/分の速度で30分間走らせ、その直後に40℃の部屋に30分間入れると、トレーニング効果(ミトコンドリア関連の酵素活性やタンパク質量)がさらに高まる。
・40℃の部屋に30分滞在させるだけでも、ミトコンドリアの働きが増す。。
・マウスの神経を除去すると、それによって筋肉が萎縮したりミトコンドリアが減少したりしますが、40℃の部屋に30分間滞在させているとこのような減少を抑えられる。
メカニズムは明らかではありませんが、熱刺激がミトコンドリアの分解を抑制するのではないかと考えられるとのこと。マウスが対象の実験ではありますが、40℃の部屋に滞在するだけでミトコンドリアがよりパワーUPしたり分解を抑制されるのは非常に興味深い。
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暑い→運動しない!というのは少し勿体無い。くれぐれも無理は禁物ですが、暑い中での運動も悪くないかも!?
2022-8-4
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