皆さんは踵が浮かないようにヤンキー座りできますか? もしできないなら足首が少し固いかも!? 足首が柔らかければ完璧というわけでもないですが足首が固いと様々な問題を生じやすい。
以下の論文に足首の固さの問題点と改善方法がまとめられているので簡単にご紹介します。
Practical Approach to Problem-Solving Movement Tasks Limited by an Ankle Dorsiflexion Restriction
Strength & Conditioning Journal ; Dec2017, Vol. 39
Louis Howe, Mark Waldron, Jamie North.
これまでの研究で足首が固いと足底筋膜炎、シンスプリント、捻挫、アキレス腱障害になりやすいことが報告されている。またハムストリングスや腸脛靭帯、膝のケガとも関係があるらしい。
足首が固いことで上記のようなケガのリスクが高まるメカニズムはハッキリとしていないが、足首が固いと「動作」が変化する。
例えば、足首が固い人がスクワットをすると膝も曲がりにくいし内股になりやすい。膝を内側に向けると(内股になると)足のアーチが潰れますが、足首が固い人は足首が曲がらないのを足のアーチを潰すような動作で「代償」することが多いんです。
足首が固い人はもしかしたら無意識にそんな動作になっているかも...。こんな風に動作が変化するとケガのリスクが上がるんだそう。
ちなみに、↓の画像(何故カメラ目線...)のように 棒を持って頭上にまっすぐ腕を伸ばしてしゃがんだ "オーバーヘッドスクワット" が足首が固いかどうかの判定に有効だそうです。
動作が変化することに関連して、足首が硬い人はトレーニングにも注意が必要かも。
例えば、内股の人がそれを改善しようとネットで情報を探すと股関節周りのトレーニングが多くヒットするはず(「内股 矯正 トレーニング」で検索!)。しかし、そもそも内股になっている原因が足首が固いことなら...。いくら股関節周りをトレーニングしても何も変わらない。
逆に内股は足首が柔らかくなれば改善する。
では、足首を柔らかくするには!?
ここでは足首が固いことの原因が3つ挙げられており(① 筋肉の問題・② 関節の問題・③ 動作の問題)、それぞれに応じた対策が必要とのこと。
① 筋肉の問題(筋肉が硬い)
ストレッチをすると筋肉がピンピンに張っているような状態ですが、その対処方法はシンプルにストレッチをすること。足首が曲がる(背屈する)際には腓腹筋とヒラメ筋(両方ふくらはぎの筋肉)がストレッチされますが、実際問題になるのはヒラメ筋のほうが多いみたい。
↑こんなストレッチが紹介されています。
ある研究によると静的なストレッチで一定の効果を出そうと思ったらストレッチの合計時間を2分以上にする必要があるとのこと。それを週3回、4週間以上続けると良いそうです。
筋肉をほぐす方法としてセルフマッサージも紹介されています。
実は静的ストレッチをすると一時的に筋力が低下しますが、セルフマッサージだとそれが無いのでトレーニングや試合前に足首の動きを良くしたいならこちらの方法が良いかもしれません。
② 関節の問題
これは骨の位置がずれていたり動きが悪くて足首が曲がらない状態のこと。足首を曲げようとすると何か詰まるような感じがしたり、関節に痛みがある場合は関節が怪しい...。
誰かに骨の位置を調整してもらうと良いんですが、一人でできる対処法が紹介されています。
↑こんな風なゴムバンドを使用する方法。Sokka.でもお客さんにお勧めすることが多い。詳しくはSokka.で聞いてください笑。効果がすぐわかるから楽しいですよ笑(!?)。 ちなみに関節の問題に対してはインソールも効果的です。
③ 動作の問題
これは筋肉にも関節にも問題がないのに何故か足首が曲げられないという状態。「曲げ方が分からない」とか「足首を曲げない癖がある」とも言える。過去にケガをしたトラウマで足首を曲げられないとか、そんな風に指導されて一生懸命練習した結果だとか... 原因は様々です。
こんな時は動作の練習をする必要があります。ここでは↓のような方法が紹介されている。
その人の体力レベルや癖、目的とする動作などによって最適な方法は異なるかと。
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足首が硬いと様々な問題を生じやすいと言われていますが実は原因は様々。一方、ネットなどで紹介されている対処法を見るとストレッチや揉みほぐし的な内容が多いような気も...(個人の感想です)。
原因に応じた対応が必要で、逆に的外れなことをいくらやっても仕方がない。
また、これも個人的な考えですが、足首を柔らかくすることの弊害もあるように感じています。特にアスリートには注意が必要な気も...。
2021-4-19
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