論文リサーチ:見た目ではランニング効率は判断できない?



まずはこの動画をご覧いただきたい。

イギリスのポーラ・ラドクリフ選手の独特なフォーム。

独特ですけど当時の世界最高記録を出すなど大活躍した選手。

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それに関連して以下の研究を発見。え〜って感じの内容(笑)。

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Visual classification of running economy by distance running coaches
Robbie G. Cochrum , Ryan T. Conners , Jennifer L. Caputo , John M. Coons , Dana K. Fuller , Mark C. Frame & Don W. Morgan
European Journal of Sport Science 15 Sep 2020,

簡単にはランニングエコノミー(走りの効率)は見た目では判断できないかもという内容...。

5人のレクレーションレベルのランナーを正面、横、後ろから1分間撮影。この時のスピードは約13km/h(1km4分30秒くらい)。

この動画を121人のランニングコーチに送り、効率が良いと思う順にランキングしてもらいます。

ちなみに対象となったコーチは高校で教えている人〜世界クラスの指導者まで含まれ、指導年数、学歴、資格、自身の競技歴なども様々。

そして、実際に研究室で測定したランニングエコノミーとコーチたちの判断を比較し、どれくらい合うか?を調べるという内容です。

その結果...。

何とコーチたちは全くと言っていいほど効率の良いランナーを見分けられていなかった...笑。

実際1~5位の順位をつけるのに3つ正解した人は全体のわずか6%。2つ正解でも12%。

先述のコーチのレベルや指導歴なども特に関係ないらしい。

この論文は最後に「選手のランニングエコノミーを見分けるのはとても難しいことだ」と締め括られています。

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コーチたちにとっては衝撃の内容かもしれませんが、なるほどね〜と腑に落ちる内容かも?

個人的には放っといてくれとは思いますが笑、それもそうだとも思う。

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まず誤解があってはいけないのは、こういう研究結果があるからと言って「滅茶苦茶な走り方をすると良い」わけではないこと。

また、フォームを修正することに価値がないなんてことはありません。実際にフォームが改善することで速くなることだってあるしケガのリスクも減る。

問題はフォームをどのように修正するか?です。

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人間には「自己最適化システム」なるものが存在しているらしく、我々の脳は常に「最もエネルギー消費の少ない動き」をしようとするんだそうです。

簡単に言うと「走り方は勝手に良くなる」ということで、同じ体をした人間はいないので "良い走り方" も人によって異なるということ。

反対に、色々なことを意識するとランニング効率は低下するという研究も多くある。

結局は自然体が一番!ということ(詳しくは→□□)。

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ではSokka.ではどのような指導をするかというと...。

1)たくさん走る:自己最適化システムにより走りは勝手によくなっていきます。たくさん走りましょう!ただ、たくさん走るとなると強度などの管理が重要です。鍵を握るのは低強度の練習!

2)身体を動きやすい状態にしておく:身体が硬いなどの理由で関節の動きが悪ければ、やりたくてもできない動きが出て来ます。逆に身体が良く動けば脳の動きの選択肢も増え、自己最適化システムも働きやすい。

3)「良い感じ」は大切::頭で考えてもしょうがない。「お!何か進むな〜」とか「何か良い感じがするな〜」という感覚はとても大切です。そんな感覚のする動作の引き出しをたくさん持っておくと良いかと。

4)研究ランニング:感覚だけでも限界があるのでウチでよくやる方法。心拍数をなるべく一定に保った状態で一定の距離を走り、どうすれば速く走れるか研究します。ピッチを変えたり、先述の感覚の引き出しを色々試したり。

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スクリーンショット 2020-11-05 16.28.08.png

最近もちょうどフォーム改善的な相談があったのでご紹介。

この画像の左側がトレーニング前。蹴り出した左の足が内側を向いています。

右側のトレーニング後は真っ直ぐになっている。

スクリーンショット 2020-11-05 16.28.42.png

何をしたかというとこんなトレーニング。

詳細は省きますが、先述の「2)身体を動きやすい状態にしておく」に関わる内容。

胸椎や骨盤周辺を中心に全身のバランスをチェックすると少し偏りがあったのでそれを修正。

走る練習はしてないしフォームについて注文をつけたりもしていませんが、結果的に走り方は自然と変わっています。

このようなトレーニングの後に「あ、良い感じがする!」と思えたら良いし、あとはこの状態で「たくさん走る」のが重要。実際に心拍数を測るなどしてランニング効率を確認することも大切。

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これと違って「左足をまっすぐにして!」とか、極端には「ちゃんと走れ!」みたいなこと言われるとランニングエコノミーは低下するんだろうなと思います。

そのフォームには原因があり、問題を改善するならまずは原因を見極め、その原因に対してアプローチする必要がある。

同じように大切なのは、問題がないなら妙なことをしないこと。

そしてたくさん練習することです!

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そんなご相談もいつでもどうぞ🙇‍♂️。

まずはお気軽にご連絡ください!











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