
低強度のLSD、高強度のインターバル、ペース走やダッシュなど...。一言にランニングの練習といってもたくさんの種類があります。
一体何をどうすれば良いのやら!
以下の研究では、競技レベル別にどのような練習を実施しているか比較しています。どんな練習をすれば良いのかヒントが隠されているかも知れません。
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Deliberate practice in training differentiates the best Kenyan and Spanish long-distance runners.
asado, A., Hanley, B., & Ruiz-Pérez, L. M.
European journal of sport science, (2019)
More Tempo Running – A Key Ingredient To The Kenyan Success
sweatelite.co より
エリートレベルの陸上長距離&マラソン選手の練習記録を調査。
選手たちは競技レベルによって「世界レベルのケニア人」「ヨーロッパレベルのスペイン人」「スペイン国内レベル」にグループ分けされ、それぞれのグループでどのような練習をしているか比較されています。
その結果、わかったことは...
1)単純にケニア人は他のグループよりもたくさん練習している(走る距離が多い)。
2)ケニア人は他のグループよりもテンポ走とショートインターバルを多く行っている。
3)ケニア人は他のグループよりもロングインターバルとレースの割合が少ない。
ちなみに世界レベルのケニア人は総ランニング距離の60%がLSD、25%がテンポ走、10%がショートインターバル、5%がロングインターバル、1%がレースの割合だそう。
スペイン国内レベル選手は総ランニング距離の70%がLSD、10%がテンポ走、6%がショートインターバル、12%がロングインターバル、2%がレースの割合だそうです。
この研究ではショートインターバルは1500m~5000m、ロングインターバルは5000m~10000mペースで繰り返し行うインターバルとのこと。また、テンポ走は一般に「比較的高強度のペースで走り続ける」練習。いわゆるペース走的な練習。
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すごくシンプルですが強い選手の方がたくさん練習しているようです。当然といえば当然な一方、強いからたくさん練習できるのでは?という考え方もできます。とは言え、シンプルに「練習量」は重要!
また、世界レベルのケニア人選手はそうでない選手に比べ「テンポ走」と「ショートインターバル」が多いとのこと。
トレーニングには色々な原則がありますが、その中の一つに「特異性の原則」というものがあります。これは簡単にいうと「やったようにしか強くならない」ということ。
例えば、野球の練習をたくさんしてもサッカーは上手にならないし、水泳の選手が心肺機能が高いからといってマラソンも速いわけではない。同じ走るにしても100m走の選手とマラソン選手は違う...。
語弊があるかもしれませんが、エリートレベルの選手にとっては、ここで言う「ロングインターバル」は中途半端な練習なのかもしれません。
ショートインターバルだと、より速いスピードが要求されスピードが高まる。テンポ走だと実際のレースに近いし高強度で走り続ける時間と距離が長く、持久力が高まる。
... それらと比較すると、5,000m~10,000mのロングインターバルはスピードも、時間や距離も中途半端になってしまうのでは!?
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そのまま同じトレーニングをすることをお勧めする訳ではありませんが、何かトレーニングの参考にしてみてください!
2021
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