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There’s a New Way to Choose the Right Running Shoe
Alex Hutchinson(Jan 5 , 2021)
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サイズやワイズ(幅)はもちろんのこと、今やシューズはある種ハイテク装置で様々なサポートやクッション、反発などなど... 自分に合ったシューズを選ぶのは以前より大変になりました。
靴の選び方についても様々な方法が提案されていますが、ウチでは以前ブログに書いたような方法でフィッティングしています( 過去の記事① / 過去の記事② )。
サイズや幅に関してはいうまでもありませんが、Sokka.でも靴を選ぶ際に重要視しているのが「履き心地」。履き心地の良い靴の方がパフォーマンスも良いし、ケガもしにくいという論文があるんです。
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今回の新説はその履き心地に関する内容。
簡単にまとめると、「履き心地が良い」というのはあまりにも感覚的すぎるから何か基準を設けようということ。
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The habitual motion path theory: Evidence from cartilage volume reductions in the knee joint after 75 minutes of running
この論文の中で「The habitual motion path theory」という説が提唱されています。検索しても日本語が出てこなかったので適当に訳すと「習慣的動作経路説」?
要するには、(a)個々人の関節には特有の動きやすい方向がある / (b)関節がその方向の動きをしやすい靴の方が怪我をしにくい ということ。
死体の足を曲げ伸ばしすると個体によって動きやすい方向があるそうです。死んでいるから動きを意識してコントロールすることはできないし、これが「The habitual motion path」。
個々人によって四肢の長さも違うし、腱の硬さも違うし、習慣的に行う動作も異なる。そのために個人によって関節の動きが異なるという訳です。
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そういった個々人で異なる関節の動きを靴選びに活かそう!ということですが、「The habitual motion path」を測る方法として「ハーフスクワット」が提案されています。
ハーフスクワットは日常の中で繰り返し行われる動作(例えば、椅子に座ったり立ったり)。この動作中の関節角度とランニング中の関節角度を比較することでその靴が適切かどうか判断するという方法が提案されています。
先述のように、ハーフスクワット中の関節角度とランニング中の関節角度が大きく違えば筋肉や腱の負担は大きくなりケガの発生率は高まる。
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研究では12人の参加者に75分のランニングを異なるシューズで3回行ってもらい、前後にMRIで膝の軟骨の厚みを比較しています。膝への負担が大きければ膝の軟骨は圧縮されて縮むそう。
その結果、ハーフスクワット中の習慣的な動作とランニング中の関節角度が大きく異なるシューズでは他のシューズと比べて膝の軟骨が大きく縮むとのこと。
また、興味深いことに軟骨の縮みが最も少ないシューズ条件は被験者によってバラバラ!
12人のうち3人がニュートラルシューズ、2人が外側の硬いシューズ、7人が内側の硬いシューズ。
反対に "良くない” 結果となったのもバラバラで、ニュートラルシューズが6人、3人が内側、3人が外側が硬いシューズ。
一貫したパターンなどは存在せず、個人ごとに"良い靴"、”良くない靴”が異なるという結果に!
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まだまだこれから検討が必要でハッキリとこの靴の選び方が最高とは言えませんが、なかなか興味深いセオリーでありデータです。
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