2021-1-30(論文リサーチ:ゆっくり走ることのススメ!)

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皆さん!もっとゆっくり走ってみてはいかがでしょう?練習の目的によって様々なので一概には言えませんが、走る人を見てジョギンングがちょいペース速いのでは?と感じることが多い。

ただ、ペースがちょい速くなるのは自然と言えば自然。

2001年に行われた研究では、20人のボランティアに20分間自由に運動をさせ心拍数や酸素摂取量がどうなるか調べていますが、自由に運動させるとほぼ全員が「少しキツい」くらいの強度で運動するという結果になったらしい。

そういうことで、ついついペースが上がってしまうのも納得なんですが、そこをグッと抑えてゆっくり走ることにも色々とメリットがあるんです☝️。

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理由1:練習にメリハリがあった方が良い

Stephen Seiler というアメリカ出身の研究者はノルウェー人の奥さんと結婚してノルウェーに移り住んだ頃、現地のクロスカントリースキーの選手たちが上り坂をのんびり歩いて登っているのを見て「なんでそんなにゆっくり?」と不思議に思ったそう。

コーチに聞いてみると指示された運動強度を守るためだとか。そこで彼は気になって色々な持久系種目の選手たちの練習を分析してみることに。

その結果、種目に関係なくほぼ全てのエリートレベルの持久系アスリートの練習の内訳が 低強度80% / 高強度20% になっていたそうです。

成功している選手のほとんどがそういう練習をしているなら そういう練習をしたほうが良いだろう!ということで低強度80% / 高強度20%のメリハリをつけたトレーニングが推奨されています。

これは進化論的な考え方で80/20はアスリートたちに選ばれ生き残った適者生存なメソッドということ。良いトレーニングが生き残り、そうでないものは消えていく。

一方で中強度のトレーニングは疲労の割に効果が薄いなんていう人もいます(ある程度は必要)。

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理由2:ゆっくりだとたくさん走れる

ついつい速めのペースで走ると当然ですが疲労感もそこそこ。疲れれば長くも頻繁にも走れない。ケガや風邪をひくリスクも高まる。

一方、強度をしっかり管理(ゆっくりはゆっくり!)することで運動をより多くこなすことができます☝️。

練習がたくさんできると当然ながら身体が強くなったり上手なテクニックが身に付いたりしやすい。また精神的にも耐性が増すそうです。

強度が高いと結局は練習量が稼げないので、ゆっくりたくさん走ることも必要。

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理由3:高強度ばかりだと代謝の効率が悪くなる

実はある程度強度が上がると脂質の使われる割合は下がっていくんです。

よりたくさんのエネルギーを取り出せる脂質をうまく使えることは持久的なパフォーマンスの重要な要素ですが、その能力を高めようと思うと実は強度を上げすぎない方が良いこともある。

また高強度トレーニングばかりを行なっていると代謝の効率が悪くなるのでは?という報告も存在します。

Oskar Svendsenというサイクリストはそもそもアルペンスキーをしていましたが、自転車のタイムトライアルの選手に転向したった3年でジュニアの世界チャンピオンになった選手。

それだけでも半端ないですが、さらに特筆すべきは最大酸素摂取量の世界最高記録を更新したこと。その値は96.7mil/kg/min。一般的な30代男性で38~9くらい、Googleで調べて見ると実業団レベルのマラソン選手で70台が多いらしい。それを見ても96.7という値がすごいことが分かる。

しかし、Svendsenは3年ほどで引退。プロのキャリアもあまりパッとしない感じだったらしい。

その理由?というか、興味深いデータがあげられています。

本格的なトレーニングを開始する前の彼の自転車エルゴメーターで測定した運動の効率は21.5%。ハードなトレーニングを開始しVO2maxが世界記録レベルに達する時期が19.8~20.5%。そして何と、競技を引退してVo2maxが下がった時の運動効率は22%。

ここでいう効率というのは「同じエネルギー消費量で、どれだけ仕事(力×距離)ができるか」。要は消費したエネルギーをどれだけ仕事に変換できるか。なんと彼はガッツリ高強度トレーニングに励んでいた現役時代より、引退した時の方が代謝の効率がよかったんです...。

熱力学的には ”どれだけ大量にエネルギーを生み出せるか?” と ”どれだけ効率よくエネルギーを使えるか?” という能力はトレードオフで、どちらかを取ればどちらかが失われるらしい。

例えば、めちゃくちゃ暖かいストーブは燃料を大量に消費し、めちゃくちゃ省エネなストーブは全然暖かくないと言うようなイメージ。超省エネで超暖かいと言う仕事と効率の両方を最強にしたストーブを作るのは難しいよ!ということ。

人間に置き換えると、Svendsenのように大量のエネルギーを消費してハードな運動ができる人、反対に大きい力は出せないが省エネで長時間運動できる人が存在することになる。

トレーニングのことを考えると、VO2maxを向上させるような高強度トレーニングを偏って実施することで省エネ能力を低下させてしまう可能性がある。反対に、効率だけを求めて低強度の長時間トレーニングばかりを行うとエネルギーをバンバン産生して強い/速いパフォーマンス発揮はできなくなるのかも。

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長くなりましたが...苦笑。

そんなこんなでゆっくり走る練習も大切です!皆さん今一度普段のトレーニングの強度を見直してみてはいかがでしょう?

こっちも見てね ↓ 笑

Polar HRモニターの紹介(https://sokka-sokka.seesaa.net/article/479594064.html

心拍トレーニング入門講座(https://sokka-sokka.seesaa.net/article/479671474.html



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