2022-4-17(ケガは "予測" できない?)

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以前こんなブログを書きました 👇

論文リサーチ:新米ランナーの約28%は1年以内にケガをする !?

新たにランニングを始めたランナー約900人のうち約250人が最初の一年でケガをするそうです。割合にすると約28%。意外なことにケガの発生率に走った距離はさほど関係ないとのこと。またケガの3/4は走り始めてから200km以内に生じると言われています。

でも、どんな人が、どうしてケガをするんでしょう?

走った距離も関係ないとなると、なおさら疑問...。

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そんな時、こんな論文を見つけました 👇

Do Injury-Resistant Runners Have Distinct Differences in Clinical Measures Compared to Recently Injured Runners?
Sarah Dillon , Aoife Burke, Enda F Whyte, Siobhán O'Connor, Shane Gore, Kieran A Moran
Medicine and Science in Sports and Exercise. 2021 Apr 23.

ケガをしにくいランナーは、ケガをしやすいランナーと何が違うんだろう?という研究です。

223人のレクレーションレベルのランナーを ①:過去3~12ヶ月の間にケガをした(今は元気)、②:2年以上前にケガをした(今は元気)、③:ケガをしたことがない、という3つに分類。

参加者に対して股関節 / 膝 / 足首の筋力、股関節 / 足首の柔軟性、足のアーチ構造の計測を行い、それぞれのグループで違いを検討しています。

その結果...

なんとそれぞれのグループに違いは無かったそうです...。

なんてこった!

しかも、強いて細かいことを言えば、これまでケガをしたことがない人はケガをしたことのある人に比べ、足首の筋力が "弱く"、股関節を外転する筋力が "弱い" そうです。

一応その原因としてケガをしたらリハビリに参加するからとか、ケガをしたところをかばったから強くなったんだということが書かれています。

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謎は深まるばかり...

さらにこんなことも指摘されています 👇

When it comes to sports injuries, can screening tests predict the future?
ALEX HUTCHINSON
PUBLISHED DECEMBER 8, 2019(UPDATED DECEMBER 11, 2019)

現在、筋力や柔軟性をテストし将来起こりやすいケガを予測するスクリーニングテストが広く行われるようになりました。

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例えばこんなやつ(自分の場合はケガを予測するためではなくケガの原因を探るのに幾つかの動作をチェックします)

しかし、ノルウェーのRoald Bahr氏によると、こういったもので将来のケガを予測するのは非常に困難とのこと。

表面的にはケガを予想することは可能に思われ、これまでにも数多くの研究が行われて来ました。彼自身も2016年にサッカー選手を対象に研究を行い、ケガをする人はしない人に比べハムストリングスと大腿四頭筋が弱いという結果を得ています。

そうなると、「じゃあ、ケガをしないようにハムストリングスと大腿四頭筋を鍛えよう!」となるわけですが、そういうわけではない!Bahr氏が言うには、「○○がケガと関連性がある」というのと「○○でケガを予測する・防ぐ」というのは全く別のものなんだそうです。

彼の研究でも統計的にカットオフ値(陽性と陰性の判定基準)を求めたところ、結局のところ陰性の選手でもケガをしているし、陽性でもケガをしない選手も数多くいたそうです。

簡単にはハムストリングスや大腿四頭筋が弱くてもケガをしない選手はたくさんいるし、強くてもケガをする選手もたくさんいると言うこと。

上のようなスクリーニングテストをして、「○○ができないからケガをします」とか「○○ができるからケガをする心配はあまりありません」と言うことは " できない " と言うことですね。

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かと言って、彼はケガを防ぐことができないと言っているわけではありません。

実際にケガの発生率を低下させるw-upの方法や様々なトレーニングが提案され効果が証明されていますが、彼によるとそのようなw-upやトレーニングはテストの結果に関わらず全員実施すべきだそうです。

確かに、ランニングを例に挙げると走るのに必要な筋肉や動作って人間であれば共通のはず☝️。あの人は足首をたくさん使ったほうが良い、この人は腕をたくさん振った方が良い、なんてことありません。

動作が共通だから自ずと必要なトレーニングも決まってくる。だから必要なことはみんなやろう!ということです。上述のハムストリングスや足首など、体の一部を見るのではなく全体を見る必要があるんだと思います。

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もう1点!

交通事故とか捻挫みたいなケガ以外は大体ゆっくりじわじわ生じるもんです。

だんだん痛くなるから気がつきにくいと言うのもあるかもですが、そんな "痛み" がケガを予測するのに一番有効かもしれません。


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