
☝️のような感じでインソールの調整をさせていただくことがありますが、何をしているのか !?
二足直立の人間にとって足は地面と接する唯一の部位。わずか20数センチの足が全身を支える土台として機能しており、非常に重要な役割を果たしている...。

あのレオナルド・ダ・ヴィンチは「足は人間工学上、最大の傑作であり、最高の芸術作品である」と言ったそうです。
そこまで言わせるほど足は複雑で実に巧妙に機能しているわけですが、自分が注目しているのは「足の関節のズレ」と「足裏感覚」の二つ✌️。

足の関節にも色々あって非常に複雑なんですが...その中でも自分が気にしているのは距骨下関節と横足根関節の二つ。これらの関節は足の固定性に関わっているんです。
少々ややこしいですが、足は関節の噛み合わせによってカチッとロックし固定性を高めたり、噛み合わせを緩めてルーズな状態になったりすることができます。地面を蹴ったり地面に力を伝達する際にはロックして固定性を高め、着地など衝撃を吸収する際には固定性を緩める。
この「ロック」と「ルーズ」の使い分けがうまくできないと問題なわけですが、どちらかに偏っていることって案外多いんですね〜。
とても雑な説明ですが、いわゆる扁平足はルーズすぎる状態でカチッとロックしないので地面にうまく力を伝えられない。反対にいわゆるハイアーチはロックしすぎな状態で衝撃の吸収がうまくできない。

ということで、まずは足の関節を調べ、ロックとルーズのどちらかに偏りがあるようなら、なるべく中間に戻すような調整を行います。それがベージュや黒のパッドです。色が違うのは微妙に厚みが違うから(ベージュ3mm、黒2mm)です。
☝️の写真だと左右で少し使用するパーツが違いますが、これは左右の足で関節のズレ方が違っているから。大きい左右差も時に不具合の原因となる。
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次に足裏感覚の調整。
人間は 脳から指令が出る → 筋肉に信号が届く → 筋肉が働く → 運動の結果(様々な感覚)を検知 → 感覚が脳に届く → 出した指令と結果(感覚)を照合 → 運動指令の微調整 → 新たに指令が出る ... というループで運動をコントロールしています。
少しわかりにくいですが「運動の結果(様々な感覚)を検知」とは、例えば運動の結果を目で見たり、手応えを感じたりということを言います。
そのような感覚情報をもとに脳では運動の微調整が行われますが、足裏は地面からの情報を拾う唯一の部位であり、足裏感覚は運動のコントロールに非常に重要な役割を果たしています。
では足の裏の感覚がなくなる(弱まる)とどうなるのか?
足底各部位を冷却した場合の姿勢調節の変化(浅井 仁 , 藤原 勝夫 / 体力科学1995-44 / 503−512)という研究では、足の裏を氷でキンキンに冷やして感覚を無くし姿勢の調整がどうなるかを調べています。

結果は想像つくかと思いますが、足の裏の感覚がなければ姿勢の調整は難しくなる。また、感覚のない部分に体重をかけなくなり感覚が残っている部分に体重を移すようになるようです。

また、Foot sole and ankle muscle inputs contribute jointly to human erect posture regulation(Anne Kavounoudias, Régine Roll and Jean-Pierre Roll / J Physiol. 2001 May 1; 532(Pt 3): 869–878)という研究では、足の裏を部分的に刺激すると姿勢がどのように変化するか調べられています。
その結果、1)前足底部に刺激があると姿勢は後傾する、2)足底荷重中心が移動しそれによって筋活動の変化が生じそれによって姿勢が変化する、3)姿勢の変化(身体の傾き)は刺激された足裏のゾーンと反対方向に生じる、とのこと。
これに関連してあれこれ調べると、足底圧中心が変化すると足や脚の筋肉の働き方が変化することや、股関節周辺の筋肉の働き方が変化することを報告した研究を色々と発見!

で、結局何なのかというと...
インソールによって足裏の感覚を部分的に強めれば足裏の荷重中心を変化させることができ、それによって姿勢や筋肉の働き方を調整できそうだ、という結論に至りました。
それがこの薄いオレンジのテーピング。こんなので !? とよく言われますが色々試してこれに落ち着きました。たまにテープを重ねたり1mmのパッドを貼ったりもします。
この理論を自分の力で直接証明することは難しいですが(特殊な機材や手法が必要)...これまで多くインソールを作ってきた経験からそうなんだろうと理解しています。
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ということで、以上がインソールの調整でしていることです☝️。
インソールは非常に便利です。体操なんかはやらないとダメですがインソールは履いているだけでOK!
ただ、必ずしも必要ではありません。足に問題がなければ使う必要なし。
例えばどこか痛くてその原因が股関節の動きが悪いことの場合、インソールで不具合を改善することもできますが、そんな時はインソールではなく股関節の動きを改善すると良くなるしそのほうが良い。
そう言ったエクササイズや体操と並行してインソールを使用するのはとても良いですね。
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なんか調子悪いなぁ〜という方はまずはお気軽にご相談を!いつでも無料相談受付中です。
色々とお話を聞き、最適な道具や方法をご提案、また必要に応じて調整させていただきます。
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