2022-10-1(シューズのドロップ差はケガの発生率に影響しない!?)

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ドロップ差とは靴の踵部分とつま先部分の高さの違いです。

大抵の靴にはこのドロップ差がありますが、このドロップ差が「自然ではない」ということで、「0ドロップ」つまりはドロップ差のない靴も多く見られるようになりました。

一般的にドロップ差のない靴の方が自然で怪我をしにくいのでは!? というイメージがあるんですが、以下の研究を見てみるとそうでもないようです。

Influence of the Heel-to-Toe Drop of Standard Cushioned Running Shoes on Injury Risk in Leisure-Time Runners: A Randomized Controlled Trial With 6-Month Follow-up
Laurent Malisoux , Nicolas Chambon , Axel Urhausen , Daniel Theisen
The American Journal of Sports Medicine 44(11)

簡単にまとめると...

趣味でランニングに取り組む553人が研究の対象。

無作為に0mmドロップ、6mmドロップ、10mmドロップのシューズを渡され、その靴を履いて6ヶ月間いつも通りの趣味で走る生活をします。参加者は日々のランニングの記録や、もし怪我をした場合はすぐに報告する。

その結果...

全体では、0mm、6mm、10mmのどのシューズでもケガの発生率に違いはなかったそうです。

しかし、ランニングの頻度によってグループ分けして比較してみると... たまに走る人(過去12ヶ月のうち半年も走っていない)は0mm & 6mmの比較的ドロップ差の小さい靴の方がケガが少なかったそうです。

一方、頻繁に走る人(過去12ヶ月のうち半年は定期的に走っていた)は0mm、6mmの靴を履くとケガの発生率が高かったらしい(10mmの方がケガが少ない)。

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全体としてはケガの発生率に違いはないとのことですが... 気になるポイントがいくつかある。

①「無作為」に0〜10mmドロップのシューズを履かせている点。ランダムにシューズを配布しているから全体としてケガの発生率に違いがないのかも!?

Sokka.では靴をご提案する際に結構ドロップ差を気にしています。特に足首の柔軟性と関係があるように感じますが、自分に合ったドロップ差のシューズは履き心地が良いし動作も安定する。

もしかしたら「無作為」ではなく、「個々に応じて」適切なドロップ差のシューズを配布していたら、無作為に配布した場合よりもケガの発生率が低くなるかも知れません。


② 頻繁に走る人・たまに走る人でケガをした人は「どこを」ケガしたのか!

これは別の研究で明らかになっていることですが、ドロップ差の低い靴はより足首を使い、代わりに膝と股関節の負担が減る / ドロップ差の高い靴は足首の負担が減るものの、膝と股関節の負担が増えると言われています。

たまに走る人は比較的低いドロップの靴でケガが少ないようですが、もともと膝や股関節のトラブルが多かったところ、足首もしっかり使って膝と股関節の負担が分散されるからなのか!?

一方で、頻繁に走る人はドロップが低い方がケガが多い傾向とのことですが足首に負担が加わりやすいからなのか!?

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ただ!

全体ではあまり違いはないとのことなので、深く考えすぎることはないとも言える(話をややこしくしてすみません)笑。ややこしいことを考えるのは我々にお任せを笑。

結局一番大切なのは実際に履いてみて、履き心地の良い靴を選ぶことです。

どうすれば!? と困ったことはお気軽にSokka.にご相談ください!




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