2023-3-15(理想的なランニングフォームとは:ボ〜っと何も考えない方が良い!? )

姿勢、前傾角度、足の着き方、腕の振り方、ケイデンス(ピッチ)などなど...。色んな人が色んなことを言っていますが実際どうなんでしょう?



↑こちらはシュラ・キタタ選手の走り。東京オリンピックにもエチオピア代表として出場。過去にロンドンマラソンで優勝するなど実力者です。

今でも足の着き方に関してフラットが良いとか、踵からは着かない方が良いとかいう話を聞きますが、彼はご覧の様にガッツリ踵から接地する!




↑こちらは安藤友香選手。東京オリンピックでは10,000mに出場。腕を下げ大きく振らない走りが忍者走りと言われています。




↑こちらはポーラ・ラドクリフ選手の走り。ちょい懐かしい。決してキレイとは言えないフォームですがガッツを感じます。かつての10,000mとマラソンの世界記録保持者。


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理想的なフォームみたいなものが教科書的に紹介されることが多いですが、何だかトップ選手たちの走りを見てもそのフォームは多種多様だし、紹介されているような教科書的フォームから逸脱した選手も多く見られる...。

どういうことだ!?

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あれこれ調べてみたところ... 最も効率的なのは「自然なまま」なのかも知れません。

Self-optimization of Stride Length Among Experienced and Inexperienced Runners.
Int J Exerc Sci. 2017 May 1;10(3):446-453.
Hunter I, Lee K, Ward J, Tracy J.

こちらの研究では、19人のランニング競技者と、14人のランニング以外の競技者を対象に実験が行われています。後者には自転車や水泳の選手が含まれ、過去2年以上ランニングのトレーニングを行っていない。

トレッドミル上を快適なスピードで走るよう指示され、ケイデンス(ピッチ)とストライド(歩幅)と酸素摂取量の測定が行われています。特に指示なく自由に走る条件 vs メトロノームを使用してケイデンスを規定する条件で色々と比較!

その結果、ケイデンスを規定することでランニングの効率は低下したようです。さらにその傾向は経験者にも初心者にも見られたんだとか。

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また、以下のような報告も...。

Thinking about your running movement makes you less efficient: attentional focus effects on running economy and kinematics.
J Sports Sci. 2019 Mar;37(6):638-646
Schücker L, Parrington L.

12人のランナーが最大以下の負荷でランニングを行い、呼気ガスや心電図の分析、およびランニング動作の評価を受けました。

実験に参加したランナーは、1)走り方を意識する条件、2)呼吸を意識する条件、3)テレビに流れるビデオに意識を向ける条件、の3条件でランニングを行なっています。

その結果、走り方と呼吸を意識した時には、ビデオに意識を向けている時よりもランニング効率が低下したそうです。ランニング中の上下動が大きくなるんだとか...。


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こうなると、あれこれ考えず、ぼ〜っと走る方が効率が良いのかも!?

Eddie the Eagle という映画の中で自分の好きな場面がコーチのピアリーがノルウェーチームの練習施設に侵入し、最新鋭のトレーニング機材に対して放った言葉。

「選手をロボットにでもするのか?ジャンプは精神的なもので心を解放しなくてはならない。ただ飛ぶんだ。心のままに。」

上述の研究を見てもピアリーの言うことはある意味正しいのかも。


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ただ、いつも心のままで良いのかというと、そうでないこともあるんだろうと思います。例えば身体の問題とテクニックの問題は別。

"足首がカチカチでそもそも曲がらない" のと、"無意識に足首を曲げないように走る癖がある" というのは別の話。

まずは身体がよく動くようにストレッチや体操、さらにはそもそも身体が強いことはやっぱ大切なので筋力トレーニングなども有効かと思います(やり方が大切!)。もちろん心肺機能や代謝能力を高めるためのトレーニングも必要。

そうした準備をしっかりしておいて、心のままに走るのが良いのかも。




2021-8-13

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