Running ground reaction forces across footwear conditions are predicted from the motion of two body mass components
Udofa AB, Clark KP, Ryan LJ, Weyand PG.
J Appl Physiol . 2019 May 1;126(5):1315-1325.
被験者の数が少ないものの非常に興味深い研究。
これまでにも着用する靴によって接地時の衝撃や地面への力の伝達、接地の仕方(かかと or 前足部 or 全足)がどのように変化するのか研究が行われてきました。
この研究でも上記と同じようなことを調べているんですが、面白いのは体を二つにパーツに分けて検討している点。膝から下の部分(足〜膝)と、膝から上(残りの全部)です。
わかったことを簡単にまとめると...
1)どんな靴を履こうが体全体に加わる負荷や地面へ伝達される力の量や時間に変化はない。
2)薄い靴を履くと膝から下の負担が増え、残りの全体の負担が減る。合計では変化なし。
3)厚い靴を履くと膝から下の負担が減り、残りの全体の負担が増える。合計では変化なし。
この結果だけを見ると、どうやら我々は全体の負荷率を一定に保つために靴の条件に合わせて無意識に走り方を調整してるようです。
また、「体の負担を軽減する」とかいう靴は存在しないことになります。
どんな靴を履こうが「体に加わる負荷の合計」に変化はなく、「負荷がどのように分配されるか」が変化するようです。

靴を選ぶ際には注意が必要で...
・足に痛みがあったり長距離のランニングなどで足の負担を減らしたい場合はクッションの力を借りて足の負担を減らすことができる。その代わり膝から上の負担は増えることに注意。
・膝や腰に不具合がある場合はクッションの少ない靴を履くことで足に負担を分散させ膝や腰の負担を軽減できる。その代わり足首から下の負担は増える。
ということになる。また...
・どんな靴でも同じ走り方というのは逆に不自然。靴に合わせて走り方は自動調整されるからそれに身を委ねた方が良いかも!?
ウォーキングについては明らかではありませんが似たようなことは起きるのかも知れません。
無意識にフォームが変化するから自分に合った靴選びはやはり非常に大切です。合っていない靴を履くと危険ですが、履いているだけでフォームが良くなるならそんな便利な道具はない!笑
その一方で、靴に合わせて体が自動的にフォームを調整しているところを、頑張ってフォームを意識して変えていくと言うのも無理があるし不自然なのかもしれません。
自分に合ったシューズをお探しの方、またその履き方が気になる方、お気軽にSokka.にご相談ください!
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