
スポーツ店などに行くと厚底でクッションがたっぷりの靴をよく見かけます。最近流行ってますね〜!見た目にも柔らかそうで、衝撃を吸収してくれそうで、足の負担が少なそうなんですが...
実際にはそれと "全く反対" かも知れません。"ただ柔らかいだけ" は返って危険な場合もある!?
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Influence of Maximal Running Shoes on Biomechanics Before and After a 5K Run
Christine D Pollard, Justin A Ter Har, J J Hannigan, Marc F Norcross
Orthopaedic Journal of Sports Medicine. 2018 Jun; 6(6)
こちらの論文によると、いわゆる普通のランニングシューズと厚底柔らかクッションシューズを比較すると...厚底の方が着地時の衝撃が大きい結果となったそうです。

(左が通常のランニングシューズ、右が厚底クッションシューズ)
Loading Rateとは簡単には接地時の衝撃のようなものですが、これは過去の研究で疲労骨折やランニング障害の一因であると指摘されています。
このことから、特にランニングに慣れていない初心者は厚底シューズを履くとケガをしやすいのではないか?と締め括られています。
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Running in highly cushioned shoes increases leg stiffness and amplifies impact loading
Juha-Pekka Kulmala, Jukka Kosonen, Jussi Nurminen & Janne Avela
Scientific Reports volume 8, Article number: 17496 (2018)
こちらの論文でも同様の結果となっていますが、走る速度などで違いがないか検証されています。

結果を見るとやはり厚底クッションの方が衝撃や負担は大きそう。
走る速度が速い方が負担も大きくなるようです。

その要因として "Leg Stiffness" が上げられています。
Leg Stiffnessとは単純に日本語にすると「脚の硬さ」 。要するには "脚の関節の曲がりにくさ" のようなモノですが、Leg Stiffnessが高い方が膝などをあまり曲げずに突っ張るような感じ。
反対に Leg Stiffness が低いと言うのは膝などを柔らかく使って衝撃を吸収しているような感じ。
上のグラフを見ると厚底シューズの方がLeg Stiffnessが高いようです。すなわち、脚を突っ張るように使っている。
どうも厚底クッションシューズを履くと、通常のランニングシューズと比べて膝などを柔らかく使わなくなるみたいで、そのことが厚底クッションシューズを履いた時の衝撃の大きさの原因では?と考察されています。
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この他にも同様の研究結果がたくさん存在します。
厚底でクッションが柔らか〜というと、いかにも脚の負担が少なそうで魅力的に感じることも多いかと思います。そんな理由からお店で厚底クッションの靴を勧められることもあるかも?
でも、実際には全く反対の結果になるかも知れません...。
必ずしも厚底クッションを否定しているわけではありません。それはそれで素晴らしい物だし、それが必要な場面があります。
しかし!
自分の身体について知り、用途に応じて必要なものを考え、必要なものを必要なだけ、正しく使う、ことが大切です。
靴選びはSokka.にご相談ください!
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