2022-11-23(運動中におえ〜っと気持ち悪いとき、無理に飲み食いしなくても良いかも!?)

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Sports drinks start working when they hit the mouth
Amy Norton, Reuters Health
2009年4月21日4:38

こちらのロイターの記事によると...

炭水化物をたくさん含んだスポーツドリンクはパフォーマンスを向上させるが、その効果はドリンクを "口に含んだ瞬間" から始まっているとのこと。

実際に60分ほどの高強度運動において、炭水化物を含んだドリンクで口をすすぐだけでパフォーマンスが向上することが確認されているようです。

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↑ 実線がただの水、破線が炭水化物ドリンク(上がグルコース、下がマルトデキストリン)。

実験の参加者に2種類の炭水化物(グルコースとマルトデキストリン)を含んだ飲料で口をすすがせる(うがいさせる)とパフォーマンスが向上するのに対し、香料と甘味料(サッカリン)を含んだ水で口をすすいだ場合はパフォーマンスに変化がなかったことが報告されています。

パフォーマンスが向上するというより、炭水化物ドリンクで口をすすいだ方が疲れてきてパフォーマンスが低下するのが少ない!という風に見える。

さらに!

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脳画像をスキャンしてみると、炭水化物を含んだ飲料で口をすすぐと脳内の運動制御や快感・報酬系に関する部分の活動が見られるのに対し、人工甘味料のドリンクではそうならないんだとか。

以上のことから...

スポーツドリンクは口の中の炭水化物を検知するセンサー器官を活動させ、そこから脳に信号が送られることで、パフォーマンスを向上させる可能性があるそうです。

通常、脳は運動中に "ネガティブ" な情報を多く受け取っています。暑い...とか、関節が痛い...とか、しんどい...とか...。脳はそうしたネガティブな情報を受け取ると出力を低下させようとするそうです。なぜならその苦しみの原因は運動だから!

が、口の中のセンサーが炭水化物を検知すると脳に "ポジティブ" な信号が送られ、ネガティブな反応が相殺され運動を継続できるのではないか!? と考察されています。

元になった論文はこちら ↓

Carbohydrate sensing in the human mouth: effects on exercise performance and brain activity
E S Chambers, M W Bridge, D A Jones
April 2009 The Journal of Physiology 587(8):1779 - 1794

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以下の論文では60分の自転車タイムトライアルにて実際のパフォーマンスが検証されています(↓)。

Mouth rinse but not ingestion of a carbohydrate solution improves 1-h cycle time trial performance
A Pottier, J Bouckaert, W Gilis, T Roels, W Derave
December 2008 Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports 20(1):105-11

60分の高強度運動において、1)炭水化物ドリンクを飲む vs 2)炭水化物ドリンクで口をすすぐ の2条件でパフォーマンスを比較。

その結果...

◎2)口をすすぐ条件でのみパフォーマンスが向上した。

炭水化物ドリンクを飲んでも、ただの水(プラセボ)を飲んだ時とパフォーマンスは違いがなかったらしい。

◎主観的な運動強度(簡単にはどれだけキツく感じるか)は両条件で違いなし。

◎血中グルコース濃度は口をすすぐだけでは変化がないが、飲んだ条件では上昇する。

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何と!炭水化物を含んだドリンクを "飲む" とパフォーマンスは変化せず、"口をすすぐ" だけの方がパフォーマンスが向上する。

「気持ち悪い〜、お腹痛い〜という時は無理に飲み食いせず、口にドリンクなどを含んで吐き出すだけ良いかも!?」と思っていたら、むしろ口に含んで吐き出したほうが良いという結果に。

ただし、血中のグルコース濃度はやはり飲んだほうが上がっているので長時間の運動では飲むことも重要だろうと思います。

この実験のように60分ほどの運動や、ラストスパートなんかでは飲まずに "口をすすぐだけ" の方が良いのかも知れません。

(2021-12-20)

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