2024-4-18(日焼けは身体に良い!? 悪い!?)

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"紫外線は身体に悪い!"とよく聞きますが、我々の祖先は裸で大地を駆け回っていたわけだし、なんだか日光を完全に浴びなくなるのは良くない気がします。そんな時こんな記事を発見しました。

Is Sunscreen the New Margarine?
Rowan Jacobsen (Jan 10, 2019 Outside magazine )

日光と健康のことでよく耳にするのが "ビタミンD"。ビタミンD不足は様々な病気や身体の不調と関連があるとされています。ややこしい話ですが、皮膚が日光を浴びると皮膚にあるプロビタミンD3という物質がビタミンDに変換され、そして肝臓に蓄積されるんだそうです。

現代人は屋内で過ごすことが多くなり、また "過剰な" 紫外線対策によって日光が不足して、ビタミンDが不足している場合があるみたい。

ちなみに、ビタミンDはサプリメントで摂取しても病気の発生率に影響がないとのこと。25,871人を対象に5年間ビタミンDのサプリメントを摂取させた研究が行われましたが、癌や脳卒中の発生率に特に変化はなかったようです。




Richard Weller 博士によると... 太陽光にはもう1つの驚くべき働きがあるんだとか。

彼のチームの新しい研究によると、皮膚に大量に蓄えられている "窒素酸化物" は紫外線を浴びることで放出され、心臓や血管に非常によい効果をもたらしている可能性があります。Weller博士の実験によると、30分の日光浴によって一酸化窒素のレベルが上がり、血管が拡張し、血圧が下がるとのこと。

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高血圧、心筋梗塞、脳卒中、死亡率は赤道から離れるほど高く、それぞれの場所ごとに見ると冬の方が高いというデータもあるようです(赤道に近い、また夏の方が日光を浴びることが多い)。

一方で心配なのが(そしてよく言われる)、日焼けによる皮膚癌のリスクはどうなのか!?

確かに太陽光を浴びることで皮膚癌になるリスクはあるようですが、その死亡率は驚くほど低く、アメリカでは毎年10万人に3人が皮膚癌で亡くなっている程度なんだそうです。


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(ガイと日光浴)

スウェーデンの Pelle Lindqvist 博士は、20年以上にわたって、日光浴の習慣がある約30,000人のスウェーデン女性を追跡調査しました。

その結果、日光浴をする時間が長い人の方が血栓が少なく、日光浴する人もしない人も併せて見ると夏の方が少ないという結果に。糖尿病も同様の結果だったそう。皮膚癌になる確率は日光浴をしている人の方が高かったが、日光浴をしていると、同じ皮膚癌になってもその死亡率が約8倍低いことがわかったそうです。

全体的な死亡率を見ると...なんと日光を避けている人は、日光浴をする人の2倍高いという結果に...。こんなに死亡率に影響を与えるものは多くなく、日光を過剰に避けることはタバコを吸うのと同じくらい健康に悪影響があるんだとか。


日光を浴びることのメリットは他にもあり、例えばセロトニンやエンドルフィンが分泌され、これらも様々な病気のリスクを低減します。サーカディアンリズム(体内時計)の働きも整えられるし、炎症を抑え、自己免疫疾患を抑える働きもある。

精神的にも良い影響があるし、何と言ってもサプリなどと違って無料です(笑)。

こう見ると、日光浴にはリスクもあるが、それを上回るメリットがあるように感じます。


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(オーストラリア Falls Creek にて)

紫外線の強さが日本の6~7倍と言われるオーストラリアでも、紫外線対策について近年少しずつ方向転換されている様子。Cancer Council Australia(がんセンターみたいなもの?) の Office-position paperによると...

「紫外線は有益な作用と有害な作用の両方を併せ持っており、バランスを取ることが大切だ。過剰に日光を浴びることも、過剰に日光を避けることも健康に害を及ぼす。日光を浴びることはビタミンDサプリメントよりも有益で、日光浴は血圧をさげ、自己免疫疾患を抑制し、気分を良くする作用がある。」

「UV index が3以下の場合(※)、日焼けどめは雪上や照り返しの強い場所以外では推奨しない。ビタミンD生成のために昼間は屋外で過ごし、皮膚を露出しておきましょう。」

(※) UV indexというのは紫外線の強さを表す指数で自分の住む地域の指数はこちらから確認可能( https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvindex/index.html?elem=0&area=0&lat=34.2&lng=138.53&zoom=5

とのことです。UV index 3以下というと曇りの日くらいかな?ちなみにオーストラリアでは真夏でも数分の日光浴が推奨されています。

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その一方で、オーストラリアでは日焼け対策についても「スリップ・スロップ・スラップ・ラップ」(Slip, Slop, Slap, Wrap) ということが言われていたりします。それぞれ、長袖のシャツを着ましょう (Slip on a long sleeved shirt)・日焼け止めを塗りましょう (Slop on some sunblock)・帽子をかぶりましょう (Slap on a hat that will shade your neck)・サングラスをかけましょう (Wrap on some sunglasses) という意味。

大切なのは、日光を避けすぎず、日焼けしすぎない、ちょうど良いバランスのようです。




2022-4-29

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