2024-11-21(RUN SIGNATURE:誰一人として同じフォームの人はいない)

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上の画像は2012年に行われたアメリカのオリンピック男子10,000mの選考会での選手の接地(左右)の瞬間を写したものです。オリンピックを目指すトップアスリートたちの走り!きっとより良いフォームのヒントが隠されているに違いない!

よ〜く見てみてみましょう。


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じ〜っと観察するガイ

... いろんな接地の仕方の選手がいませんか !? つま先、フラット、踵から接地している人もいるし、足がやや外側に傾いている人もいたり、左右で接地の仕方が違う人もいる...。

あれ !? 足はこう着きましょうとかネットで見たし、教わったし、トップ選手はみんな前足部 or フラット接地なんじゃないの? と思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、現実はまるで指紋のように "同じ走り方" の人はおらず、みんなそれぞれ固有の走り方があるようです。

でも考えてみれば当然の話。誰一人として同じ体をした人はいません。


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人間という同じ種類の生物である以上、基本的には同じですが、細かいところを見てみると... 骨の形状、靭帯の位置や長さ、筋肉や腱の長さや太さ、それらが骨に付着する位置などなど、個人ごとに微妙に異なっています。

僕は身長が170cmですが、多分平均的な170cnの男性よりも座高が高いです。つまり脚が短い(苦笑)。そして、特に下腿(ふくらはぎ)が短く、太ももが長い気がする。

そんな風にみんな微妙に体の構造が違っているんです。


The habitual motion path theory: Evidence from cartilage volume reductions in the knee joint after 75 minutes of running

こちらの論文の中で "The habitual motion path theory" というものが提唱されています。検索しても日本語が出てこなかったので適当に訳すと「習慣的動作経路説」?

ポイントは、「個々人の関節には特有の動きやすい方向がある」と言うこと。

ある実験では死体の足を何度も曲げ伸ばししてみたそうですが、個体によって動きやすい方向、動きにくい方向があるそうです。死んでいるから動きを意識してコントロールすることはできないし、これが身体の構造からくる "The habitual motion path" 。

個々人によって身体の構造が微妙に異なるし、生活する上で習慣的に行なう動作も異なるため、こうしたことが生じるんだと思われます。

したがって...


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「この走り方が正解」と言うものは存在しないことになる。なぜなら身体の動きは指紋のようにみんな違うから。強いて言えば、「良い走り方」は「人それぞれ違う」というのが正解のようです。

ちなみに...


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The habitual motion path theory に基づいた靴選びを提唱しているが BROOKS。ハーフスクワットとランニング中の関節角度を比較することで、その靴が適切かどうか判断するという方法を提唱しています。

ハーフスクワットは日常の中で繰り返し行われる動作(例えば、椅子に座ったり立ったり)ですが、もし、その動作中の関節角度が大きく変わるような靴を履いていると、筋肉や腱の負担が大きくなりケガの発生率は高まるそうです。


ある研究では12人の参加者に75分のランニングを異なるシューズで3回行ってもらい前後にMRIで膝の軟骨の厚みを比較。膝への負担が大きければ膝の軟骨は圧縮されて少し縮むんだとか。その結果...

ハーフスクワット中の関節角度とランニング中の関節角度が大きく異なるシューズでは、他のシューズと比べて膝の軟骨が大きく縮むという結果に。また、興味深いことに軟骨の縮みが最も少ないシューズ条件は被験者によってバラバラ!

12人のうち3人がニュートラルシューズ、2人が外側の硬いシューズ、7人が内側の硬いシューズ。反対に良くない結果(軟骨が縮んだ)になったシューズもバラバラで、ニュートラルシューズが6人、3人が内側、3人が外側が硬いシューズ。

一貫したパターンなどは存在せず、個人ごとに"良い靴"、”良くない靴”が異なるという結果になっています。

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よくSNSなんかで靴が紹介されていたりしますが、それが合う/合わないは個人によって異なります。それよりも、「 "あなたには" □□が最高!」というような、パーソナライズされた提案が必要なのではないでしょうか。

Sokka.はそれが得意です(それしかできないとも言う...苦笑)。




2022-7-14





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