よく「山を走るのとマラソンは別物だ」と言われたりします。マラソンは速いけど山を走るのはそうでもないとか... 山の登りはめちゃ強いけどマラソンはそうでもないとか...。
以下の研究によると...
Elite Road vs. Trail Runners: Comparing Economy, Biomechanics, Strength, and Power
Frederic Sabater Pastor, Thibault Besson, Marilyne Berthet, Giorgio Varesco, Djahid Kennouche, Pierre-Eddy Dandrieux, Jeremy Rossi, Guillaume Y Millet
February 2022 The Journal of Strength and Conditioning Research
17人の男性アスリート(10人トレイルランナー・7人ロードランナー)を対象に研究が行われ、さまざまな項目でトレイルとロードを比較。その結果...
<em>◎ 1ヶ月の練習時間は、ロードが79.0±20.5時間に対し、トレイルが43.6±10.6時間で、ロードランナーの方が多い。
◎ 脚力(膝伸展・屈曲 )は、ロードが99±7N・mに対し、トレイルが122±12N・mで、トレイルランナーの方が強い。
◎ パワー(=力×スピード)は、ロードが626±44wに対し、トレイルが726±89wで、トレイルランナーの方が強い。
◎ 時速14kmで平地を走る際のエネルギー消費は、ロードが4.06±0.29 J/kg/m に対し、トレイルが4.32±0.22 J/kg/m で、ロードランナーの方が少ない(すなわち効率が良い)。
◎ その他、上り坂でのエネルギー消費量やランニングフォームの指標(対空時間や接地時間など)に特に違いはない。
データ数が多くないのであくまで参考程度かもですが、この結果はロード、トレイル、それぞれの選手が行う練習の内容に関係があるのかも知れません。
トレイルランナーは山で登り下りを繰り返し、それがある意味で筋トレとなり脚力やパワーが高い。また、そう言ったトレーニングは身体の負担も大きく練習量が稼ぎにいのでロードランナーよりも練習時間が少ないのかも。
マラソンランナーがトレイルランニングの準備をするなら今よりもより脚の筋力を高める必要があり、トレイルランナーがマラソンの準備をするなら平地をたくさん走ってランニング効率を高める必要があるのかも。
また、脚力をつけたい人は道路だけでなく山に行ってみるのも方法の一つかも知れません。
2023-4-12
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