上の画像は2012年に行われたアメリカのオリンピック男子10,000mの選考会での選手の接地(左右)の瞬間を写したものです。オリンピックを目指すトップアスリートたちの走り!きっとより良いフォームのヒントが隠されているに違いない!
よ〜く見てみてみましょう。
...
いろんな接地の仕方の選手がいませんか?つま先、フラット、踵から接地している人もいるし、足がやや外側に傾いている人もいたり、左右で接地の仕方が違う人もいる...。
あれ !? 足はこう着きましょうとかyoutubeで見たしトップ選手はみんな前足部 or フラット接地なんじゃないの? しかし現実は、誰一人 "同じ走り方" の人はおらず、みんなそれぞれに良い走り方があるようです。
でも考えてみれば当然の話。誰一人として同じ体をした人はいません。
人間という同じ種類の生物である以上、基本的には同じですが、細かいところを見てみると... 骨の形状、靭帯の位置や長さ、筋肉や腱の長さや太さ、それらが骨に付着する位置などなど、個人ごとに微妙に異なっています。
例えば、僕は身長が170cmですが平均的な170cnの男性よりも座高が高いです(つまり脚が短い...)。そして、特に下腿(ふくらはぎ)が短く太ももが長い気がする。
そんな風にみんな体の構造が微妙に異なる。
The habitual motion path theory: Evidence from cartilage volume reductions in the knee joint after 75 minutes of running
こちらの論文の中で "The habitual motion path theory" というものが提唱されています。検索しても日本語が出てこなかったので適当に訳すと「習慣的動作経路説」?
難しいことはさておき、ここでのポイントは「個々人の関節には特有の動きやすい方向がある」と言うことです。
ある実験では検体(研究のために死後遺体を提供)の足を何度も曲げ伸ばししてみたそうですが、個体によって動きやすい方向、動きにくい方向があるんだとか。
検体なので自分で動きをコントロールすることはできないし、これが身体の構造からくる "The habitual motion path" 。
個々人によって身体の構造が微妙に異なるし、習慣的に行なう動作も異なるため、こうしたことが生じるんだと思われます。
したがって...
「この走り方が正解」と言うものは存在しないことになる。なぜなら身体の動きは指紋のようにみんな違うから!強いて言えば「良い走り方」は「人それぞれ違う」というのが正解のようです。
YoutubeやSNSでランニングフォームについてたくさんの情報が集まるようになりましたが、一方でそれが原因で走り方が滅茶苦茶になっている人も少なくないような気がする。
いま必要なのは、実は、形だけの走り方を教わるのではなく、より良い感覚を感じること、自分の感覚を研ぎ澄ますことなのかも知れません。Sokka.ではそんなお手伝いをしておりますので気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
ちなみに...
「良い動き」が人によって異なる以上、「良い靴」も人によって異なります。
例えば、ある研究では12人の参加者に75分のランニングを異なるシューズで3回行ってもらい、前後にMRIで膝の軟骨の厚みを比較。膝への負担が大きければ膝の軟骨は圧縮されて少し縮むんだそうです。
その結果...軟骨の縮みが最も少ないシューズ条件は被験者によってバラバラなんだとか。
12人のうち3人がニュートラルシューズ、2人が外側の硬いシューズ、7人が内側の硬いシューズ。反対に良くない結果(軟骨が縮んだ)になったシューズもバラバラで、ニュートラルシューズが6人、3人が内側、3人が外側が硬いシューズ。
一貫したパターンなどは存在せず、個人ごとに"良い靴"、”良くない靴” が異なるという結果になっています。
つまり、よくSNSなどで「この靴がいいぞ〜」みたいな紹介がされていますが、どの靴が良いかは人によって違うということ。もしかしたら「良い靴」より「良い靴の選び方」が大切なのかも知れません...。
こちらもSokka.の得意分野ですので、気になる方はぜひ。
2022-7-14
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